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技術コース卒業生/「鳥人間コンテスト2021」への挑戦


自分たちがどこまでやれるのかチャレンジしてみたかった。
このメンバーだからこそやり切ることができた。


※写真左から
柳澤 明良さん 機械工学科 在籍
鈴木 勇人さん 機械工学科 在籍
米倉 孝哉さん 機械工学科 在籍
高田 拓海さん 情報工学科 在籍
高木 響 さん 情報工学科 在籍
松本 拓海さん 情報工学科 在籍
 湘南工科大学では様々な部活動やサークルが存在する中で、工学的な大会にチャレンジする団体が多数あります。その中でも例年夏に開催される、「鳥人間コンテスト」への出場を目指す団体に、今年は「技術コース」卒業生の学生も多く参加しました。今年度の様子について、「技術コース」卒業生および湘南工科大学の学生たちが座談会形式でインタビューを行ったのでご紹介します。
 皆さんはいつ頃から「鳥人間コンテスト」の活動に参加されていましたか?
鈴木:実はここにいるメンバー全員が、もともと「鳥人間コンテスト」に関わりのあるメンバーじゃなかったんですよ。技術コース生は技術支援として春頃から参加しました。僕は「学生フォーミュラ同好会」という団体に所属しています。

柳澤:僕も「ロボット研究部」に所属しており、普段はロボットコンテストやマイコンカーの製作がメインですね。
 そうなんですか!? 高木君、高田君、松本君も?
松本:僕たちは部活動ではないのですが、情報工学科ということもあり、毎年「プログラミングコンテスト」に参加していました。

高田:僕たちは「技術コース」時代からいつも一緒で同じ鉄道研究部に所属していて、そのまま大学に入ってもいつも一緒でした。

高木:プログラミングコンテストも毎回3人一緒だしね。
 そんなバラバラだった皆さんが今回なぜ「鳥人間コンテスト」の機体製作に携わろうと思ったのですか?

鈴木:実は、僕が懇意にしている実習工場の技術員さんから「鳥人間には興味ないか?」って声をかけていただいたのがきっかけでした。
最初は断ろうか悩んでいたのですが、ちょうどそのころ、コロナの影響でフォーミュラの大会がなくなってしまったり、活動が暗礁に乗り上げてしまっていたこともあったので、正直フラストレーションは溜まっていました。そんなタイミングでのオファーと、なにより師匠として慕っている技術員さんからのお誘いだったのでやってやろうと思いました。
 では、最初に参加したのは鈴木君から?
鈴木:最初というか、実は僕から柳澤君に声をかけて広まっていったんですよ。

柳澤:そうそう、いきなり連絡来てびっくりしましたよ。鳥人間とか全然携わったことなかったからなにごとかと。
 そこからこのメンバーにはどうやって至ったのですか?
柳澤:実は「技術コース」時代から情報工学科の3人とは仲が良く、グループLINEも存在しているんですよ。こういった作業で信頼のおけるメンバーって誰だろうって考えた時に、技術的にもやる気的にもしっかりできるメンバーは彼らかなと思って松本君に話を振ってみたんです。
 では、柳澤君から松本君に?
松本:はい、LINEグループで誘いが来ました(笑)。そこから高木君と高田君に声をかけたのが僕です。
 「技術コース」時代からの繋がりがいまでも続いているのですね。
柳澤:たぶん「技術コース」に入る生徒って、僕たちもそうなんですけど、わりと変わっているというか、好奇心が旺盛な人が多いと思っているんですよ。面白そうなことをやってみたいと思って集まった面々だと思うので、巻き込む力もあると思う。

松本:巻き込まれた側です(笑)。とはいえ、僕はもともと模型を作るのが好きだったんですよね。それを磨きたくて「技術コース」に入ったっていうのもあるし。模型という意味では、組み立てや設計なんかは通ずるところがあって、この未経験な状況から、自分がどこまでできるだろうかという思いから今回参加を決めました。

高田:そういう意味では僕はもっと単純かも。松本君に誘われたから。最初は本当にそれだけだったからね(笑)。

高木:そんなこと言ったら僕もそうだよ。昨年は忙しく3人ともプログラミングコンテストに参加できなかった思いがくすぶっていて、そのタイミングで声がかかったから、むしろタイミング的には良かったかも。やってやろうって。
 始める前からすでに役割は決まっていたと。
鈴木:もともと僕はフォーミュラで、柳澤君はロボ研で部長を、松本君は高校時代に鉄研で部活動の立て直しをやっていた事もあって、とりまとめや指示だしもやりながら製作をしていました。活動の中心に居たってだけで全員で考えてましたけどね。

松本:僕たちは4年生ですけど、後輩も何人かいるので、指導も行っていました。「こういう場合はこうだよ」とか「これはこうするんだよ」とか現物を共に見ながら抽象的にですけど……。時には、作り方や考え方について教えたこともありました。

柳澤:人の命が関わることだからね。ミスは許されないし、ひとつひとつの作業すべてが真剣で、機体をいじってるときはずっと気を張っていたよね。すごく濃密な時間でした。
松本君、高木君、高田君に声をかけたのも、僕一人だったら限界だったと思うことも、3人がいればなんとかなるんじゃないかと思って。実際なんとかなったし。
あ、そうそう、鳥人間の機体製作に使用される材料で、スタイロフォームという素材があるんですよ。かなり要になる素材なんですけど、それは模型界隈でも使用されていて、加工をお願いすればこの3人はピカイチだと思ったんです。鉄道模型って鳥人間よりさらに細かい造形ですし、実際お願いしたらピカイチでしたね。
 足りないところは個々のスキルで補い合っていたんですね。
鈴木:応用を効かせなきゃいけない場面は多々ありましたね。例えば、試験飛行後に壊れたパーツの修復なんかは大変でした。翼は主に前尾翼と主翼、垂直尾翼があるんですけど、どこがどういうふうに破損しているのかチェックをしたうえで、どう修復するのか全員で考えたこともありました。

高田:チェックリストなんかも作成してホワイトボードを埋めていったり、地道な作業でしたね。本当に細かくやってました。

高木:細かな作業が多かったよね。でも、得意分野に分かれて、例えば加工が得意な人はそっちやったり、データをもとに数値化や解析するのが得意な人はそれをやったりね。

鈴木:顧問である機械工学科の稲毛准教授の研究室では、レーザー加工機の使用やスチレンボードのアール加工の試作などを行ったうえで、そのデータをもとにメンバーで共有して製作を進めていきました。「技術コース」ではないですけど、稲毛研究室の米倉君も核となって頑張ってくれましたね。
 いままで沈黙を保っていると思ったら、米倉君は「技術コース」ではなかったのですね!?
米倉:鈴木君がどうしても来てっていうので(笑)。僕は技術コースじゃないので沈黙していました。

鈴木:でも、彼が居たからここまで来れたといっても過言ではないですよ!

米倉:僕は「技術コース」のメンバーほど一体感はないですけど、その一員になれたと思っています。

鈴木:米倉君は機体製作にいなくてはならないメンバーだよ!
「技術コース」であるないは関係なく、皆が一丸となって取り組めるのはいいですね! 米倉君はどんな役割を担っていたのですか?
米倉:主にデータ解析と試作ですね。僕は鈴木君と同じ「学生フォーミュラ同好会」に所属しているのですが、そこでもデータの分析やそこから導き出したデータをもとにマシンの設計などを行っていた情報処理班的役割も担っていました。

松本:でも、基本的にはひとりひとつの作業ではなかったです。同時進行的に2、3個の作業を掛け持ちしながら臨機応変に処理していました。さらに新入部員にも教えなきゃいけなかったのは本当に大変でした。

高木:製作工程はあるんですけど、時間内に作れなさそうとかいう場面もあったんですよね。そういう時は、代案や代用品を用意したうえでそれを加工したり、くっつけたりして組み立てていました。時には買ってきたりね。そういう応用は、ここにいるメンバーは全員出来るので、意見を出し合いながら解決していきました。

そうやって臨機応変にお互いを信頼し合いながらできたのは、きっと「技術コース」時代からお互いを知っていて、そのまま大学でも学科を超えて特技を活かせたからこそ今回無事に参加できたということでしょうか。
鈴木:コロナ禍での製作、参加でしたが、誰一人陽性者も出なかったですし、パイロットも含め、けが人も出なかったのは幸いでした。今回の大会はコロナ禍での開催だったので、レギュレーションもかなり厳しかったが、ひとりひとりが理解して、それをきっちり守れたからこそ、無事に終われたし、安全に帰って来れたのは僕たちのひとつの成果かなと思っています。

柳澤:そういった面も含めて後輩に継承できたんじゃないかなと思っています。大学最後の参加でしたし、「技術コース」のメンバー初ということもありましたが、鈴木君の言う通り、無事に帰って来られたことがひとつの成果だと思っています。「ロボ研」にいただけでは分からないこともたくさん学べました。自分の全然知らない分野で挑戦すること、役割を果たすという意味では企業に入る前の社会勉強にもなりました。

高木:僕は大学でサークルや部活動に所属はしていませんが、プログラミングコンテストとはまた違った団体活動に参加できたのはとてもいい経験になりました。とはいえ、とてもとても大変でしたけどね(笑)。今回分かったのは、モノづくりには体力がいるということですね。情報系では必要としなかった考え方なんかも勉強になりました。

高田:社会人になったら当たり前かもしれないですが、最初に出たオーダーから直前での変更や、製作が進んでいる中での白紙化、修正は正直大変でした。でも、これは本当にいい勉強になりましたね。チームで何かを作り上げていくっていうのはこういう困難なことも乗り越えていかなきゃいけないんだなって。

松本:フラストレーションがすごく溜まる場面もありましたが、そういう時こそみんなでフォローし合いながら、上手く調整をして息抜きをしながらやっていきました。
先生とは相談し合ったり、ぶつかったりしながら進めましたし。自分たちで考える場面はたくさんありました。何が何でもやらなきゃいけないっていう気持ちや責任はあったから。

鈴木:改めて、責任を持つということも学んだよね。とにかく最後までやり切るということも教えられました。道徳的な意味でも。
色々と話は尽きませんが、最後に「技術コース」へ興味を持っている方へひとことずつお願いします。
松本:「技術コース」は良くも悪くも様々な感覚を持った人たちと接することができます。知らない分野にも興味を持つこともできます。もちろん、高校の時から大学と関わる機会がたくさんありますし、仲の良い先生を見つけると大学に入ってからもいろいろ助けてくれます。あと、高校時代にできた友達は一生モノだと思っています。

高田:実は僕は中学まで海外で過ごしていたのですが、海外からでもこういった高大一貫教育に魅力は感じていました。早い段階から工学に興味を持っている方は、「技術コース」は選択のひとつとして考えてもいいんじゃないかと思います。

高木:松本君も言いましたが、高校時代から大学の先生と関われるのはすごく大きいことだと思います。やりたいことがある人はもちろん、まだ何も決まってない人でも、何でもいいのでチャレンジしたい気持ちがある人にはオススメです。

柳澤:「技術コース」は高校生のうちに大学の全学科をひと通り体験できます。その中から興味のある学問を見つけて、興味のある先生の研究に触れて、将来を考えることができます。特に大学では学科を超えて学ぶことができる「学科横断型学修プログラム」もあるので、「技術コース」で大学の雰囲気を掴み、大学ではひとつの学科だけではなく、横断的に学ぶと、より知識や技術が深まると思います。モノづくりに興味がある人はぜひ!

鈴木:「技術コース」には普通科では体験できないことがたくさんあります。実際、僕も未知数なところに興味を持って進学を決めました。入ってからは、「モノづくり」に関する見方が変わりました。もちろん部活動は普通にあるので、精神的にも成長できます。
基礎的なところから教えてくれるので、やったことがない分野でも様々な人から学びが得られます。主体的に行動を起こしたいと思っている人はおすすめです。
高校のうちに大学に触れられることはもちろんですが、高校のすぐ隣が大学なので、大学に入ってからも高校の先生が良くしてくれるなんてこともありますよ!
 ありがとうございました!