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技術コース卒業生/SITフォーミュラ同好会


車やバイクが好きなメンバー同士で作るのは楽しい。
フォーミュラにはモノづくりが凝縮されています。


※写真左から
前田 仁史さん 機械工学科 2年生 好きな乗り物:アストンマーティン/ヴァルハラ
渡會 颯生さん 機械工学科 2年生 好きな乗り物:カワサキ/ZXR400
吉冨 大都さん 機械工学科 2年生 好きな乗り物:ホンダ/インテグラ タイプR
鈴木 勇人さん 機械工学科 4年生 好きな乗り物:ランチアデルタ/インテグラーレ エヴォ1
米倉 孝哉さん 機械工学科 4年生 好きな乗り物:メルセデス・ベンツ/G63
向後 朝翔さん 機械工学科 4年生 好きな乗り物:スバル/レガシー
「SIT学生フォーミュラ同好会」は機械工学科の4年生が新たに創設した団体になります。黎明期から現在に至るまでの様子や学生の活動について座談会形式で語っていただきました。
 4年生の皆さんは立ち上げの経緯などあれば教えてください。
鈴木:以前にも大学には「全日本学生フォーミュラ大会」への出場を目指す団体が存在はしていました。でも、僕たちが入学する頃には活動休止状態になっていたんです。高校3年生の時に「工科大学講座」で機械工学科が担当だった際に話が出て、僕の他に2人の友人と3人で興味を持ち始めました。「おもしろそうだね」って。その後、機械工学科の佐藤教授がもともと顧問だったという話を聞き、相談をしてみたら、栃木県にある「Honda」の研修に誘ってくださいました。「Honda」の技術員さんにエンジンの構造や給排気に関する知識など様々なことを教わりました。それから、大学1年生になり実際に同好会として立ち上げたのがはじまりです。

向後:僕は大学に入ってから創設者のメンバーに声を掛けられたのがきっかけです。親の影響からもともと車は好きでした。富士スピードウェイや鈴鹿サーキットでスーパーGTを観戦するのが好きです。カスタムカーに興味があったので、面白そう、自分でもやってみたいと思い参加しました。

米倉:鈴木君に誘われました。僕は車やバイクが特別好きというわけではありませんでしたが、せっかく機械工学科に入学したのなら、機械関連の取り組みを色々やってみたいと思い、参加しました。
 2年生の皆さんはいかがですか?
前田:存在は高校時代から知っていました。中学生の頃から車が好きで、父とスーパーGTを観に行った時に感動して、大学に進学したら絶対に「SITフォーミュラ同好会」に入ろうと決めていました。

吉冨:小さい頃から車が好きでよくトミカを集めて遊んでいました。僕はレーシングカートをやっていて、夢がプロレーサーなんですよ。GTなんかを運転してみたいですね。高校の時、機械工学科の稲毛准教授から「車が好きなら学生フォーミュラって活動があるよ」と紹介されたのがきっかけです。

渡會:高校時代はあまり関心がなかったのが本音です。でも、もともとバイクは好きでした。機械工学科に進学したときにふわっとした情報でフォーミュラをやっている同好会があるのを知りました。興味はあったのですが、1年次はオンライン授業だったために大学にはほとんど行かず、きっかけを掴むことができませんでした。2年生の春になって実習工場の技術員さんと話していた時に、ちょうどフォーミュラ同好会のメンバーが来たんですよ。そのまま誘われて参加することになりました。
 きっかけは皆さん様々ですが、バイクや車が好きなことは共通していますね。主な活動内容を教えてください。

米倉:自動車業界で活躍するために、「ものづくり」についての構想、設計、製作を学ぶのが第一です。2018年10月に本格始動しましたが、車体制作にはどうしてもスポンサーが必要でした。

鈴木資金援助を求め最初は奔走してましたね。

向後:青山にある「Honda」や部品の試作を手掛ける「屏風浦工業」、アウトソーシングの「bryza」など、双方にとってのメリットを研究し、とにかくコンセプト車体のプレゼンを行いました。たとえば、「Honda」ではなぜ「Honda」のこのエンジンでないとダメなのか、なぜこの車体でないとダメなのか、といったような。結果的に資金だけでなく物品の援助までしていただいてとても助かっています。
前田:実は僕たち後輩組はコロナ禍の影響もあり、満足な活動が出来ていないんですよね。大学としても活動時間の制限があったり、渉外活動もなかなか出来なかったり。

鈴木:ボディは僕や他の4年生メンバーが3DCADで作った図面と照らし合わせながらフレームから作製し、エンジン等の給排気系は向後くんが調整、あとは足回りがまだ製作途中という感じかな?

前田:そんな感じですね。でも、なにより書類の作成が本当に大変です。

鈴木:やっぱり人を乗せて走るわけだから、設計書なんかもしっかりしなきゃいけないからね。

吉冨:「等価構造計算書」っていうのがあるんですけど、もう本当に難しくて。大会のレギュレーションに合わせて数値を選定し、そこから車体の加工を行っていくんですけど、加工は大変ですね。車体がカーボンなので、鉄よりも硬いですし、軽くても丈夫なぶん、重くても鉄のほうが加工しやすいんだなって改めて勉強になりました。

渡會:なにより、「等価構造計算書」って全部英語なんですよ! まず、英語の勉強からって感じで大変です。もう翻訳ソフトと格闘しながら全部頑張って翻訳しましたね。
あと、金属加工の際に必要なスキルを磨くため、溶接やフライス盤などの練習もたくさんしましたね。実習工場の技術員さんにも本当にお世話になりました。

向後:あと、テスト項目がたくさんあって大変。車体はもちろん、給排気、チューブ、モノコック、衝撃吸収、EVなどなど、テスト結果を詳細に説明するデータを1大会につき1個必ず作る必要があるんですけど、エクセルの表で行と列何十個必要なの!? っていうぐらい項目があります。

前田:その過程で3DCADの図面を使う必要があるんですけど、前にデータが破損してて開けなかったことがあって、そのときの絶望感がすごかった。いままでの苦労はなんだったんだって……。
吉冨:でも、そういうのも含めて教訓だよね。いまはまだコロナ禍で満足な活動が出来ていないけれど、僕たちが4年生になるまでには大会に出られるように仕上げたいですね。
 先輩・後輩が一丸となって活動できる良いチームですね。

渡會:先輩方には本当に色々教えていただけるので最高です(笑)。でも、冗談抜きでみんな仲が良いと思います。実技も教えてくださいますし、オンラインではありますが、「Honda」の講習会にも参加させてもらってますし。

前田:整備の方法や設計の仕方も学べますし、エンジンの分解・組み立てもできる。大学の授業以上に必要な知識も身につきますしね。
 同好会の活動を通じて成長したことなどありますか?

米倉:3DCADが大学の授業以上に覚えられるのは大きいですよね。正直、「CAD利用技術者」の資格取得のときより難しいこと求められるんじゃないかな。企業の方に教わると、現場で必要なスキルを体感できるので、とても貴重ですね。

吉冨:僕はもともとレーシングカートをやっているので、カートの製作もしたいなと思っているのですが、いままでカーボンが一番軽くて丈夫だと当たり前のように思っていたのですが、そうでもなかった。時には鉄がよかったり、はたまた別の素材が良かったり。大学の授業で習った机上の知識よりも、実際に触れることで適材適所を見つけていくことを学びましたね。
前田:臨機応変さ情報の取捨選択が上手になりました。フレームの加工なんかで悩んだときにも、様々な文献や実例なんかを参考に、自分の製作にインスパイアしたり。

向後:なにより、スケジュール管理が上手になりました。あと大切さも。どんなに良いものを作っても、大会に間に合わなければ意味ないですし、他にも、企業の方とのスケジュール調整は本当に勉強になりました。失敗したこともあったからこそ気づけた。失敗からこそ学ぶことはたくさんあると思います。

鈴木:物の見方自体が変わりましたね。もともとフォーミュラをやる前は車のデザインや設計に興味があり、それならデザイン関係の学科かなと思っていました。でも、いざやってみると、機械そのものの見方が変わって。構造の理解や素材の扱い方の大切さを学びました。チームワークの大切さはもちろん、学年が上がると責任感も芽生えますね。
 では、最後に「技術コース」に興味を持たれている方々へひとことお願いします。
代表して前田:大学受験がないぶん、やりたいことに向けて自分のやりたいことを見つける期間があることはすごく大きいです。7年一貫教育なので、将来に向けて考える時間はたくさんあります。高校生のうちにやりたいことを明確にしておくと、大学に進学してからもスムーズにいきますよ。逆に、大学でやりたいことがないとただ日々を過ごすだけで勿体ないです。普通の高校よりビジョンは明確にしやすいと思います。時間は有効活用しましょう。成長できるかは自分次第です。何事にもチャレンジしてみてください。
 ありがとうございました!